東京チェンソーズ 一本まるごと展
【展示要旨】
戦前、家や日用品、燃料に至るまで、生活に必要なものは山から供給されていました。木はとても大切に扱われ、家の土台、柱、梁、壁や造作などに使い、細い木も炭焼きの材料として、ふもとの町に出荷していました。丁寧に剥いた皮は、捨てることなく屋根や壁の材料として使いました。最後に山に残されていた細い枝などは、生活の煮炊きのために拾って持ち帰っていたため、山はいつもきれいだったそうです。
しかし、戦後になると復興の建築需要に応えるために、山で伐採した木は、機械を使って大規模に搬出するようになりました。建築用の木材は効率化を目的に規格化され、規格に合わない材料は少しずつ山に置いて行かれるようになりました。生活様式も電気やガスなどの普及に伴い、炭や薪は必要なくなり、山には不要な木が残されるようになりました。
私たち東京チェンソーズは、東京の森で木を植え、育て、伐採して街に届けることを生業としています。このような状況の中で、より美しい山づくりを目指すひとつの手段として、規格化の流れの中で取り残されてしまった素材を見つめ直す試みを始めました。ご紹介している素材は、一本の木からご用意できるすべての材料を網羅しています。本展が、木の新しい可能性を切り開くひとつのきっかけになることを願っています。
【展示・イベント内容】
①木、一本丸ごと・製品の展示・販売
一本まるごとカタログに掲載してる素材(丸太・カット枝・根張り・樹皮など)とそれぞれの素材から作られた製品(ヘラ・A BOX・生道具等)の展示・販売
②檜原村の森の現状や、東京チェンソーズ(林業)の様子を映像でご紹介
③檜原村のこと、林業のこと、東京チェンソーズについてのご紹介
※その他トークイベント、ワークショップなどを予定しております。